作品傾向
主人公最強度:★★★☆☆
テンポの良さ:★★★☆☆
内容の濃さ:★★★☆☆
恋愛要素:★★☆☆☆
キャラ立ち:★★★★☆
あらすじ
朝、目が覚めると知らない場所にいた。
しかも、おっさんだったはずの俺が子供になっている!?そこは、【神の奇跡】という魔法が存在する不思議な世界。
魔力という不思議な力の、無限の可能性に気づいているのは、もしかして俺だけ?
だったら、この力で面白おかしく生きてやろうじゃないか!……ところが、俺が隠れて習得した魔法によって、ある”疑惑”がかけられてしまう。
リッシュ村という小さな村に、突如巻き起こった大騒動。
その結果、俺は領主の命令により地方の魔法学院に行くことになった。魔法学院に通いながら、念願だった冒険者に一歩踏み出したが、侯爵令嬢の誘拐事件に首を突っ込み、呪いで遊んだり、錬金術で一攫千金を妄想しているうちに魔法学院の幼年部を修了する。
そうして、次は王都にある魔法学院に通うことになったが、学院では神童と呼ばれたり、呪いでお金を稼いでいたら、”解呪師”なんて大層な二つ名を貰うことに!?
学院の寮を出て二人の女の子と一緒に暮らすことになったり、怪しげな光の球が住み着いたりと、思いもしなかった生活はまだまだ続く――――。気ままな冒険者暮らしを夢見ながら、大陸を二分する大国の争いに巻き込まれていく。
そんな、一人の少年(中身おっさん)の物語。※成長過程も書いていますので、無双までは多少時間がかかります。
感想
【ストーリー】
現時点で150万字越えの長編作品(現在も更新中)。
なろうらしいライトな作風である一方で、土台をしっかり固めて一つ一つ積み上げていくようなストーリー構成でもある。
そのため、スナック感覚で楽しめる爽快無双物語とも、じっくり没入できる本格ファンタジーとも言い切れないバランス型?の作品。
加えて、この様な作風の作品としてはキャラクターの活用度合いが明らかに高く、前半に登場したキャラクターが後半のエピソードで役割を担うなどの巧みなキャラ使いで物語に立体感を与えている。
ただ、気になる点として、ストーリーが並列進行な部分が挙げられる。
例えるなら自由度の高いオープンワールドRPGで、メインクエストと大きいサブクエスト二つを少しずつ進めながら、小中のサブクエストもクリアしていく。
みたいなストーリー構成をしているため、前述のキャラ活用の上手さも相まって読み手の脳のメモリを試される作品と言えるかもしれない。
【文章力】
筋の通らない文章はなく、情報量も多過ぎず少な過ぎずと丁度良い。
その上で、作風自体はライトであり、作品固有の専門用語や高い読解力を必要とするセリフ回しなども少ないため、文章としての読みやすさは満点に近い。
【世界観・キャラクター】
世界観の掘り下げは良くも悪くもライトノベルとしての平均レベル。
キャラクターに関しては、一人一人はそこまでディティール細かく描写されているわけではないものの、前述したとおりその活用の仕方が非常に上手く、”前半活躍したけど今は空気”のようなキャラクターを出来るだけ作らないようにしているのは素直に凄いと思える。